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真のヒーローは自分が傷ついても他人を守るらしい。
なら、今日の僕は紛れもないヒーローだったと思う。
今日の夕方、中央線に乗った瞬間に車内を飛びまわっていた巨大な蛾が僕の肩に止まったんです。
なんでだよ。
春はハチで夏はセミ、そんで秋は蛾。さすがに冬はいないけど。
今年はたかる虫のレパートリーが豊富。ファーブルが生きていたら僕を研究すると思うよ、きっと。
蛾を払おうとした瞬間、入り口横の座席にいた5歳くらいの女の子が拍手をしました。
よく見ると目元には涙の跡。
おそらく蛾が怖くて泣いていたのでしょう。
そりゃ狭い車内でデカい虫が飛んでいたら怖いですよね。
「よし、待ってな!」
蛾を外に逃すため車両から降りました。
あの時の僕、今年一番カッコよかったと思います。
プシュ〜ッ
外に出た直後、背後からドアの閉まる音が聞こえました。
振り返ると動き出す電車。窓からからあの女の子が手を振っています。
あぁ良かった、笑ってる。
僕も電車が見えなくなるまで手を振りました。
「遅刻…かな」
つぶやく僕の肩に、再び巨大な蛾が止まりました。
本当になんでなんだよ。
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