今年に入ってからずっと腰が痛いので、いつもお世話になっている整形外科に行ってきました。
原因は予想がついているんです。20代の頃はカポェイラやブレイキングばかりやっていたので、そのダメージが出てきたのでしょう。
【参考動画:万里ショーケース】
「腰椎が損傷してたりするのかな。踊れなくなったらイヤだなぁ」
レントゲン室の撮影台の上。不安で不安で泣きそうになりました。
*
「写真を見る限り、骨には異常ありませんね」
診察室のモニターにレントゲン写真を出して説明するドクター。
潰れや歪みもなく椎間板も飛び出していない。アスリートの患者さんでこんな綺麗な腰はしばらく見たことない、とのこと。
じゃあ痛みの原因はなんだったんですか?質問するとドクターは写真の腹部からお尻にかけてマウスポインタを当てて言いました。
「ここが気になるんだよね。この部分は体幹筋とも呼ばれるんだけど、ここの筋肉がちょっと……」
言葉を濁すドクター。
なに?そこがヤバい事になってるの?手術?
予想通りダメージが蓄積されていたのか。骨ではなく筋肉に。
一瞬で血の気が引き、脈が速くなるのが分かりました。
「ちょっと……なんですか?覚悟は出来ています。ハッキリ言ってください」
「ハッキリ言うと、体幹筋がちょっと発達しすぎているんですよ」
予想外のホメ言葉。
でも発達してるのは良いことじゃないの?
「それが何か問題でも?」
「筋肉がこれだけ大きいってことは、それだけトレーニングや運動で使ってるってことだからね。疲労が蓄積して痛みが出てるんでしょう。しばらく安静にしていれば痛みは取れますよ」
よかった。痛みの原因はただの疲労だったようです。
ドクターは他に故障がないか、僕のヒザを曲げたり脚を持ち上げたりしてチェックしながら言いました。
「それにしても綺麗な脚の形だね」
「脚はよく褒められるんですよ。内面は褒められたことないけど」
緊張がほぐれたので冗談で返すと、ドクターは急に真剣な表情になりました。
「外見だけなんて、そんなことありません」
僕の目をまっすぐ見つめるドクター。
「万里さんは内面も綺麗ですよ」
あぁ。
痛みの原因だけでなく患者の内面まで見抜くなんて、あなたはなんて素晴らしいお医者様なのでしょうか。
「特に素晴らしいのはココ」
ドクターは再びモニターに向きレントゲン写真を指差しました。
「こんな綺麗な股関節はめったにありませんから。自信持ってください」
ありがとうございます、ドクター。
それ内面じゃなくて『内部』な。