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万里と呼ばれた星の話

日常での雑記
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電車の冷房がちょうど良い具合でうっかり寝ちゃったんですが、なんか鼻の辺りがモゾモゾして「夢にしてはリアルな感触だな」と起きたんです。

そしたらなんと、赤ちゃんが僕の鼻をモニモニとコネていたんですね。

驚いて隣を見たら赤ちゃんを抱っこしているお母さんが座っていて、彼女もエアコンが気持ちよいのか熟睡していました。

もしかしたらエアコンが気持ちよかっただけではなく、日頃の家事や子育ての疲れからつい眠ってしまったのでしょうね。

赤ちゃんは飽きて隣で寝ていた僕の鼻をイジって遊んでいた、というわけだったんです。

寝起きで頭が回らず、しばらくボーっとしてたら赤ちゃんがまた僕の顔に右手を伸ばしてきました。

つい反射的にその手を避けたら赤ちゃん泣きそうになったので、「ここで赤ちゃんが泣いてしまったらお母さんを起こしてしまう、毎日頑張ってるお母さんのつかの間の休息を奪ってしまう」と瞬時に判断した僕は自らの鼻を赤ちゃんに差し出しました。

このブログの読者の中には「いくらなんでもそれは無いだろう万里くん」と思う人もいるかも知れませんが、そんな方々はまだ本当の僕を知らない万里初心者ですね。

ほら、万里上級者の皆さんならご存知だと思うんですけど、僕は座右の銘が自己犠牲なくらい尽くすじゃないですか。

現世での徳の積み方がハンパないから死後は星になることがほぼ確実、と言われるくらい尽くすタイプじゃないですか。

この親子のために自らの鼻を差し出した僕の姿を見て、きっと他の乗客達は自ら火に飛び込み聖者に我が身を捧げたウサギの話を思い出してスタンディングオベーションしようとした事でしょう。

しかしそうなっても僕が「君たち、この親子のためにも、静かに」とそっと制止するので結果皆んなは心の中で静かに涙したことでしょう。

あれなんの話してたんだっけ?

話が逸れたので戻しますが。

僕が鼻を差し出した結果、赤ちゃんは心ゆくまで僕の鼻をこねくり回したんですが、その後の展開に「マジか」と言ってしまいました。

赤ちゃんは僕の鼻で遊んだ後、「うわぁなんか手がヌルヌルするんだけど」みたいなリアクションしてから泣き出したんですよ。

そんで結局お母さんも起きたんですね。

もうなんつーか、なんだ。
なにこれ?

「マジか」って普通のトーンで声出たからね。

僕の鼻、そんな脂ぎってないだろ。
万が一、本当に万が一に鼻が脂ぎっていたとしても泣くほどじゃないだろ。

この一連の流れを見て、きっと他の乗客達は「喜劇だ」とスタンディングオベーションしようとしたことでしょう。

だけども皆んな大人だからグッとこらえて「ピエロだ」っつって心の中で僕を笑ったことでしょう。

超恥ずかしくて真っ赤になってました。

そんなこんなで、赤ちゃんがなんで泣いてるのか分からずお母さんはあやしながら2つ先の駅で降りて行きました。

電車に残された僕は眠気もすっかり消えて「このまま旅に出ようかな」って思いましたよ。

だからね。

もし、ある日突然僕がレッスンをやめてブログも更新しなくなっても心配なんかせず、夜空を見上げてください。

真っ暗な空に一際目立つ燃えるように赤く輝く星があるはずです。

それ僕ですから。
星になっても恥ずかしくて真っ赤になってますから。

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