久しぶりに夢を見て泣きました。
そして泣きながら起きました。
どんな夢かというと、僕は女性で狭くて古い和室で死んだ恋人を待っている、という内容です。
そう、前回書いたブログの【思い出の部屋】は僕が見た夢です。
突然小説なんて書いたから
「いやー万里さんの小説読んだけどさ、大丈夫?」
「あの話だけど、実体験に基づいてる?」
「失恋したの?」
「妄想?」
といったありがたい感想をたくさん頂きました、直接。
ご心配おかけしましたが、僕はいつも通りだから大丈夫ですよ。
あと妄想じゃなくて小説ね。
この夢はたまに見るんです。
多分、今回で3回目。
だから内容も明確に覚えてるんです。
当時、初めてこの夢を見た時はあまりに悲しくて友人に詳しく説明しました。
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居酒屋のカウンターで焼き鳥の串を外しながら
「聞いてくれよ。こないだ夢見たんだけどさー」
と友人に話しかけます。
「おう、どんな夢よ」
友人はその焼き鳥に大量の七味をかけながら相槌をうちます。
「七味かけすぎだろ。それでさ、僕が狭い部屋で死んだ恋人を待ってて。そんで恋人と昔飼ってたネコミ(ペルシャ猫)も来たんだけど、その部屋では話すのも触るのも禁止なのよ。辛かったわー」
「あー、万里好きそうな夢だね。しかしオアズケ状態は辛いわなー」
「なんだ好きそうって。まぁいいや。それで死んだ彼氏が部屋に入って来てさ」
「え、万里が女性なの?」
「おうよ。しかも美人」
「なるほど。ますます万里が好きそうな展開だ」
「なんだよその断定のしかた」
「いや、続けて」
「あぁ。そんでずっと我慢してたんだけど、彼氏が部屋を出る時につい話しかけちゃってさ。ワンワン泣きながら今までの感情をはきだすのよ。『寂しかった』『愛してる』『なんか言ってよ』って」
「どうしたの突然。なんで声高いの?」
「いや、夢の中の僕ね。万里子(マリコ)ちゃんね。察しろよ」
「あぁ、ごめん」
「でさ、彼氏は何も言わずに抱きしめるわけよ、僕を。つーか万里子を。彼、優しかったなぁ」
「あー…。わるい、俺はオマエを抱きしめられないわ」
「なんだよ!なんか回りくどい告白みたいに捉えんなよ!深い意味なんてないからな!」
「わかってるよ。冗談だよ(イスごと僕から離れながら)」
「なに距離とってんだよ!絶対に冗談じゃないじゃん!やめろよそういうビミョーな空気、地味に傷つくから!」
「それよりタコわさ食べたくね?注文していい?」
「それよりってなんだよ。いいよ頼もうか。すみませーん!」
ハーイ、タダイマウカガイマース
「タコわさ1つと生2つ追加で」
カシコマリマシター
「まぁなんだ。さっきの夢の話だけどさ、その死んだ彼氏、いまの店員のお兄さんみたいな見た目だったんだよ」
「なんだオマエ、俺に告白したのにすぐ心変わりか」
「だから告白じゃないだろ!つーか心変わりってなんなんだよ!」
タコワサト生2ツオマタセシマシター
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なんてやり取りをしたのを今でも鮮明に覚えています。
そんでね。
僕がこの夢を見る時は決まって僕の周りの誰か(家族や知り合い、会員さんなど)が体調崩したという話を聞いた時なんです。
ケガしたとか
検査でなんか見つかったとか
家族が入院したとか
喘息が酷いとか
最近は気温差も激しいので体調不良になったという話題を結構聞いたので、きっと久しぶりに『思い出の部屋』の夢を見たのでしょう。
そしてこの夢を見るたび、いい歳して泣きながら目覚めるたびに、僕は今逢える人達との時間を大切にしようと改めて心に決めるのです。
ここで一緒に考えてほしいのですが、あなたにも現在『いつでも逢える存在』がいますよね?
家族とか、ペットとか、友達とか、恋人とか。
でも彼らがいつまでもいる保証なんてどこにも無いんですよね。
『命には限りがある』なんて事実、当たり前すぎて忘れちゃうんです。
だけども、みんないつか寿命なり天命でこの世を去り必ず『思い出の存在』になります。
僕が見た夢の中では、大金を積んで規約さえ守れば『思い出の存在』に会うことが出来ました。
しかしそれはあくまで夢の話で、現実ではいくら大金を積んだところで『思い出の存在』には逢いたくても、話したくても、触りたくても、声を聞きたくても、それが叶うことは絶対にありません。
でもね。
僕の見た夢よりも『夢みたいな事実』なのは。
まだ現実ではみんな生きてるんですよ。
まだ『思い出の存在』になる前ならば、みんなと話すことも、触ることも、声を聞くことも全て可能なんですよ。
しかも『思い出の部屋』みたいに大金を積まなくても良いし、1年に1回だけで24時間なんて制限もないんですよ。
僕の見た夢よりも『夢のような』話だと思いませんか?
だから、
大切な存在との会話を
大切な存在の感触を
大切な存在の声を
そして大切な存在と過ごす時間を、
みなさんも改めて、大切にしてみてください。
家族に今までの感謝の気持ちを伝えたり
恋人にきちんと想いを伝えたり
友人とちょっと照れるけど握手してみたり
ペットのブラッシングをいつもより丁寧にしたり…
突然やると不審がられるから「なんかさー、変な小説を読んだんだけど…」なんて言い訳をしながら。
これを伝えたくて【思い出の部屋】の主人公は『僕』ではなく『あなた』にしたのです。
そして僕にとっての大切な存在とは、一緒にダンスしてくれたりこのブログを読んでくれてる『あなた』です。
どうか僕のためにも、いつまでも元気でいてくださいね。
あなたが体調を崩したら、僕またロマンチックな小説書きますから。
みんなに心配されたらあなたのせいですからね。
連帯責任なので、体調管理、よろしくお願いします。