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東京ヒエヒエ事件。

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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「ヒエヒエですか?」

今日、白金台の交差点で信号待ちをしていたら、こんなセリフを真横の男性(30代後半)からかけられました。

しかもめっちゃ高いトーンで。

ちょっと想像して欲しいんですけど、安田大サーカスのクロちゃんが「クロちゃんです!」って言うじゃないですか。

アレよりちょっと高めです。

いきなり至近距離でそんな声出されるからテンパりました。

(え?今この人「ヒエヒエですか」って聞いたの?『冷え冷え』ってこと?いや、それは無い。状況的にオカシイもん。きっと道を尋ねたか何かを聞き間違えたのだろう)

そう思い

「すみません、もう一度お願いします」

と丁寧に聞き返すと、男性はよりハッキリと、そしてより高いトーンで答えました。

「ヒエヒエですか?」

聞き間違いじゃなかった。

信号待ちでこんなことに巻き込まれるなんて。東京って怖い。

心臓バックバクでしたが、「(もしかしたらこういうコミュニケーションなのかもしれない)」とも思いました。

だって一昔前は通りすがりの見知らぬ人にでも「今日は暑いですね」とか挨拶していたじゃないですか。そんな三丁目の夕日みたいなアレですよ(彼の声が高かったのは緊張して裏返ったのでしょう)

そして皆さんご存知のように、僕ってそういう人情とかものすごく大切にするタイプの人間じゃないですか。

だから平静を装い、精一杯の笑顔で返したんです。

「えぇ。最近はやっと涼しくなりましたね。でもまた明日から残暑がキツいらしいですよ」

「……」

コミュニケーションじゃなかった。

黙ってまっすぐ前を見つめたままの男性。さっきとキャラが違げぇ。

どうすればいいかわからず男性の横顔を見つめたまま固まってしまいると、後ろのOLさん二人組がヒソヒソと話し出したのです。

「見て見て、男性同士のナンパよ」

「ププッ。フラれてたね」

ナンパじゃねぇしフラれてもねぇよ。

でも皆さんご存知のように、僕ってそういう周囲の目とかものすごく気にするタイプの人間じゃないですか。

あまりの恥ずかしさにその場から逃げ出したかったけど信号は赤のまま。どうにもできません。

「(スタジオの近くだしスタッフや会員さんに見られていたらどうしよう)」

そう思いながらマスクの下で唇を噛み、心の中で男性に対して呟きました。

あぁ、今まさに肝がヒエヒエだよ

って。

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