無駄とはなんだろうか。
先日、レッスン前に生徒さんから
「先生の脚、私より綺麗だわ」
と褒められたんですよ。
『お前の脚しょっちゅう褒められてんのな』
とお思いでしょうが、事実として褒められるんです。
そしてここまで書き進んで初めて気がついたのですが、僕、会員さんやYouTube視聴者から顔を褒められた事が一度もないんですよね。
僕には脚の他にも褒めポイントが結構あると思うんでね、今後は皆さんもう少し視線をあげてくれると嬉しいです。
話が逸れたので戻しましょう。
脚を褒められた僕は
「ありがとうございます!でもスネ毛があるから綺麗ではないですよ(笑)」
と応えました。
「剃ればいいのに」
「え?剃るの?毛を?」
「うん。ウチの大学生の息子はお風呂場で色々してるみたいよ。脚ツルツルなのよ」
ーーー無毛男子。
ウワサでは最近の若い男性は無駄毛の処理をするらしいです。
で、この話題になる度にいつも疑問に思うんですが、スネ毛を処理した場合ヒザから上はどうするんでしょうか。
夏場とかハーフパンツ履いてて、スネは綺麗なのに太ももにビッシリ毛が生えてるのって変じゃない?
ってことでモモ毛も無駄と判定してツルツルにしますよね。
そこまではいいんです。わかります。
じゃあ股間は?
流石にあの部分の毛は無駄じゃないでしょう。
だって人体の本丸を守る最終防衛ラインみたいなもんじゃないですか。
軍で言えば近衛兵ですよ。
つまり毛の中でもエリート集団、いわば
『毛リート』
じゃないですか。
髪の毛と同じくらいの必要な毛だと思うんですよね。
でもまぁ、普段は人目につかないからそこの手入れはホドホドにしたとして。
お次は上半身ですよ。
脚は綺麗なのに腕毛が生えてるの変でしょ。
てことで腕毛を剃りますよね。
そこまではいいんです。わかります。
じゃあワキ毛は?
いや、剃れますよ?
剃れるけど、左手で右ワキの毛を剃るの?
利き手じゃない方で刃物を扱うとかめっちゃハードル高くない?
そんなの二刀流じゃん。
あれでしょ?宮本武蔵とかがやるやつでしょ?
二天一流かっつーの。
あとワキってぶっとい血管やリンパが通ってるじゃないですか。
そんな綱渡りみたいな作業は爆弾処理班とかがやる仕事でしょ?素人がおいそれとは出来ない、要資格のやつでしょ?
もし万が一、ザックリいって死亡したら僕の死後にウィキペディアができた時
『ダンスとか文章とか頑張ってたダンサーで、無駄毛の処理中にワキを切って死んだ』
とか書かれるんでしょ?
ダメだって。そんなの参列者も絶対に半笑いだって。
そもそも無駄毛の『無駄』ってなんなの?
どこまでが『無駄』でどこからが『必要』なの?
無くても困らない毛を『無駄』とするなら、僕のチャームポイントのアゴヒゲなんて1番の無駄毛じゃないですか。
イギリスの詩人アレキサンダー・ポープも人間論で
『人間はすべて善であり、悪でもある。極端はほとんどなく、すべて中途半端だ』
と書いてるんですけど、それと同じで毛は全て無駄であり、全て必要でもあると思うんですよね。
なんて話を友人にアツく語ったところ
「刃物が怖いならブラジリアンワックス使いなよ」
というアドバイスをいただきました。
なにそれ柔術?ヒクソン グレイシーとか出てくるの?
詳しく聞いたら脱毛ワックスとのこと。
この友人、フィジーカー(簡単に言うとボディビルコンテストに出るような人)の優勝経験あるんですけど、試合に出る時はそのワックスを使ってるんだって。
「どう使うの?」
「簡単だよ。まずワックスをスネに塗るんだよ」
「うん」
「そしたらワックスが固まるのね」
「うん」
「一気に剥がすの」
「うぅん!?」
いやいや、無いって。
大抵のことは指先1つで出来る現代で、そんな力技な脱毛はない。
いくら僕でも騙されない。
それダチョウ倶楽部とか出川哲朗さんが得意とするヤツじゃん。
そのうち『アツアツおでんを食べる』とか言いだしかねないよ、まったく。
つって帰宅してネットで調べたらホントでした。
しかもそんなに痛くないらしい(さすがに無痛ではないです)
「買っちまえよ」
アマゾンの商品ページを観ていると左側から声が聞こえました。
振り向くと、僕の左肩には小指ほどの大きさの悪魔の格好をしたブラック万里が座っていました。
ブラック万里は誘惑を続けます。
「買っちまえよ。最近You Tubeの視聴者も増えてきたんだしさ、ここは美脚になってビューティー系ユーチューバーに転向しようぜ。そしてIKKO2世を目指すんだ。」
「ブラック万里…」
まるで催眠術にかかったように購入ボタンをクリックしようとしたその時
「お待ちなさい」
今度は右側から声が聞こえてきました。
反対側に振り向くと、僕の右肩には天使の格好をしたホワイト万里が座っているではありませんか。
ホワイト万里は穏やかな口調で続けます。
「万里よ、お待ちなさい。そもそもあなたがYou Tubeを始めた理由は、コロナで不安になっている人達に希望の光を照らすためだったでしょう。自分の人気なんて関係なかったはずです。忘れてはいけません。あなたの使命は自分の持つ才能で世界を少しだけ喜ばせる事でしょう」
「ホワイト万里…オレ、目が覚めたよ」
「自分が何をするべきか解ったようですね」
「うん」
「ブラジリアンワックスを買うのです」
「うぅん!?」
「最近あなたはYou Tubeに集中しすぎてブログを、特に雑記をおろそかにしていますね。動画のコメント欄やDMでカッコいいともてはやされて調子に乗っているようですが、カッコいい万里なんてなんの魅力もありませんし、ブログファンはそんな姿に興味もありませんよ。」
「じゃぁどうすればいいんだよ」
「自ら面白そうなことに首を突っ込み、事故りなさい。そしてそれをブログに書くのです。ファンが観たい姿は泣き言を吐いてるあなたです。薄暗い部屋で『こんなんブログに書いて笑い話にでもしないとやってらんねぇわ』とキーボードを一心不乱に叩いているあなたの背中なのです。さぁ、ブラジリアンワックスを買って事故るのです。そしてみんなを喜ばせるのです」
購入ボタンをクリックしました。
て事で、近日中に脚をブラジリアン脱毛します。
今年の誕生日(3/23)はいつもと一味違ったものになりそうですね。
あ、突然僕の脚がツルツルになるとイジっていいかわからなくなると思うけど、「先生やったんだね!どう?」て感じにフランクに絡んでくださいね。
ここまで悩んで脱毛したのに誰にもいじられなかったら、それこそ
一番の無駄
ですからね。