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エンターティナーの定義をダンサー視点から考察してみました

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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『エンターティナー』とはどのような人を呼ぶのか。

僕は

『自分への称賛よりも相手の笑顔を優先して考えられる人』

をエンターティナーと定義しています。

エンターティナーの仕事は観客を喜ばせるサービス業。

当然、観客ファーストのサービス精神が必要だからです。

今回はその定義について考えるきっかけとなったお話しします。

プロダンサーの価値観に触れる貴重な機会なので、ぜひ最後まで読んでください。

先月、YouTubeでロシアのダンサーから

「やぁ!動画で使ってる音楽の曲名を教えて!(ロシア語)」

とコメントをいただきました。

しかし曲名を教える事はできません。

なぜなら僕のレクチャー動画の曲は全部オリジナル。作品として作成してないので曲名も無ければリリースもしていなかったんです。

自分が作りましたアピールすると

『オイオイ、隙あらば承認欲求を満たそうとしてんじゃねーよ』

と思われるんで言わなかったんですが、自分の作ったモノを褒められるとやっぱり嬉しくなるんですよ。

だからコメントを読んだ時はテンション上がって

「ありがとう!コレは全て僕のオリジナルさ!」

と嬉々として返信しました。

『スパシーバ!(ありがとう!)』

『ハラショー!(素晴らしい!)』

『ピロシキ!(ピロシキ!)』

的なコメントが返ってくるだろうとワクワクしながら。

返信直後、僕の登録者が1人減りました。

え、なにこれ。

ウザがられてるの?

めっちゃダサくない?

でもまぁ、よく考えたら当然の結果なんですよね。

相手(消費者)の要望に応えられなかった時点で僕(生産者)のサービス提供は不成立、つまり需要と供給が成り立たなかったんですから。

しかも相手が『曲名を知りたい』と望む消費者なのに、僕も『褒められたい』と望む消費者でしたからね。

お互いに相手からのサービスを要求している状態。

つまり生産者が不在だったので市場が機能しなくなったんです。

(ここでは商品や貨幣などの価値交換は行われていません。しかし相手と僕の立場をサービスを望む側と提供する側に分ける事が出来るのでわかりやすく『市場』と呼んでいます)

とても恥ずかしい体験でしたが、この経験はエンターティナーの在り方を再確認する大切なきっかけなりました。

人間はどうしても自分本位になりがちです。

会議でブレインストーミング(アレックス・F・オズボーンが提案したアイデアを出し合う会議スタイル)しているのに自慢話ばかりしてる人。

相談に乗っているつもりが自分の苦労話を永遠とする人。

相手の質問に対して自分の功績を語る人(←僕が犯した失態はこれ)

これらは相手の要望を無視して自分の承認欲求を満たそうとした結果だと言えます。

今回のケースも僕の心のどこかに

『褒められたい!もっと褒められたいよぅ!』

という気持ちがあったため

「曲名を教えて」

という質問に対して

「僕のオリジナルだよ!」

とトンチンカンな回答をした結果でした。

(逆に「この曲はステキだね!誰の曲だい?」という質問なら「これは僕のオリジナルなんだ!ありがとう!」で正解でした。それこそスパシーバからのハラショーでピロシキは確実だったでしょう)

エンターティナーが相手を優先させなくてどうする。

自分本位になった時点でプロ失格だ。

聞きたいのは皆んなの笑い声。

自分に向けられる拍手の音なんて二の次だろ。

『自分よりも相手を優先して考えられる人』

の定義は決して忘れてはいけないんだ。

そう唇を噛みながら地団駄を踏み、同じ過ちを犯さないと心に誓ったのです。

ーーーそして今日。東京。雨。

インドのダンサーから

「すごく良い曲だね。曲名教えて!」

と過去動画にコメントがきました。

自分の成長を活かすチャンス!とばかりに

「コメントありがとう!僕の作った曲だから名前は無いんだ。でも気に入ってくれて嬉しいよ」

と返しました。

『タンキュー!(ありがとう!)』

『アッチャー!(素晴らしい!)』

『バターチキン!(バターチキン!)』

的なコメントが返ってくるだろうとワクワクしながら。

その直後、再び僕の登録者が1人減りました。

散々と考察をこねくり回した挙げ句にこの結果。

どのように返信するのが正解だったのかまだ僕にはわかりません。

ただ、一つだけ確かなのは

めっちゃダセェ

ということなんですよね。

エンターティナーの定義はまだまだ深いのです。

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