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馬を呼べなかった話

日常での雑記
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【2018年5月16日の日記】

すっかり気候も夏めいてきましたね。

今日は天気も良く、
いつもより早めに目が覚めました。

東京の気温29度だって。
【夏めいた】
というか
【ほぼ夏】
ですね。

こんな爽やかで気持ちの良い朝は
普段やらないような事や
何か新しい事を始めようかな、
なんて思ったりします。

抜けるような青空を見上げながら
『指笛…やってみるか』
と呟いたのが全ての始まりでした。

【馬を呼べなかった話】

多芸になりたい。
マチャアキみたいになりたい。
なんなら隠し芸大会にも出たい。

年に数回、猛烈にそう思う時期があります。
僕はそれを
【多芸熱】
と呼んでいます。

ある時は
『片手で卵を高速で割れたらカッコいい!』
と思い、片手で卵を割りまくってました。
大量の卵は全部タマゴ焼き(甘め)になりました。

またある時は
『可愛いフェルト人形が作れたらオシャレだ!』
と思い、フェルトをニードルで刺しまくってました。
フェルト人形達は割と芸術的(前衛的)に仕上がって
我が家の守り神みたいに祀られてます。

しかしどれも弱かった。
とてもじゃないけど、
隠し芸と呼べる代物ではなかった。

披露したところで
『なんでこの芸を隠し通さなかったんだろう』
と悔やんでしまうレベルでした。

そして僕の
【多芸熱】
は一旦収まるのです。

そんなこんなで最近は
落ち着いてたんだけど、
昨日観ていた映画で
指笛で馬を呼ぶシーンがあって。

口に指をくわえて
『ピーーーーッ』
って。

これだよ!
これやりたい!!
指笛を高らかに鳴らせたい!

しばらく眠っていた
【多芸熱】
に火がつきました。

『え、なに?万里さん馬でも呼んでるの!?』
と思われるくらい鳴らせるようになりたい。
つーか馬を呼びたい。

ハイジに
『口笛はなぜ遠くまで聞こえるの?』
と聞かれても
『指笛はもっと遠くまで聞こえるのじゃぞ』
と頭を撫でながら優しく答えたい。
そしてウェルダース・オリジナルをあげたい。
そのあとでやっぱり馬を呼びたい。

これしかないってくらい興奮したんだけど、
昨晩は夜遅かったので指笛の練習は諦めました。

夜中に指笛鳴らすと蛇がくるからね。

そして今朝。
いつもより早めに目が覚めたし、
天気も最高。

絶好の指笛日和です。

指笛をマスターしたら
まず手始めに小鳥を呼べるようにしよう。

そして小指にでも止まらせて
窓際でポエムでも書いてやろう。

どうだい!?
指笛一つでこんなにも世界は変わるんだよ!
指笛一つでこんなにも人は変われるんだ!!

早速パソコンで
【指笛 簡単】
【指笛 やり方】
と検索。

なるほどなるほど。
理屈はわかった。

いざ挑戦。

『ヴォオオエッ!』

えずきました。

絵的にはどう見ても
【酔っ払いが吐こうとしてる】
って感じ。

おかしい。
映画ではえずいてなかった。

このままでは馬どころか
小鳥すら呼べない。

ハイジにウェルダース・オリジナルを
あげることすらできない。

むしろ
『なぜそんなにえずいてるの?』
と訊かれかねない。

そうだ!
指笛のやり方との相性が悪かったんだ!

そして
片手で輪っかを作るバージョン。
人差し指、中指ので2本指で鳴らすバージョン。
両手で鳴らすバージョン。
全部試しました。

全部えずきました。

窓から差し込む日差し。
外では小鳥たちのさえずり。
そして部屋に響く僕の嗚咽と
パソコンのモーター音…

なんでこんな天気の良い日に
パソコンに向かって涙目で
えずいてるんだよ。

どうやら僕は口に指入れると
えずいちゃう体質みたいでした。

しかも、何度も繰り返したせいで
後半では指を咥えてないのに
えずくようになってきてんの。

『指笛を練習したおかげで
自分の体質を再発見できてよかった』

と自分を上手に納得させてから、
パソコンで
【えずき 原因 対処】
で調べました。

『気持ちをリラックスさせ、
十分な休養を取りましょう』
だって。

というわけで、これから二度寝です。
馬を呼ぶのは諦めます。
小鳥&ポエムも。

とりあえず寝る前に歯磨きしておこう。

そんで再びえずきました。
もう2度とやらない、指笛。

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