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ヒゲ事件

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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突然ですが、最近は時間があるので『簡単だけど普段やれなかったこと』の実行にハマっています。

忙しい時は簡単な事ほど後回しにしていましたからね。

そして僕が後回しにしていた事の1つが身だしなみ、正確に言うと『アゴヒゲを整える』でした。

というのも、僕は20年近くアゴヒゲを生やしていて色んな人に「カッコいいね」「ワイルドだね」と褒めていただくのですが、特にポリシーやこだわりがあるわけなじゃなく、ただ単に

アゴの部分だけすごいカミソリ負けするから生やしているだけ

なんですね。

毎朝ヒゲを剃る度に顔面血まみれになるのがイヤになり、カミソリ負けをする部分だけ放っておいたらいつの間にかアゴヒゲが形成されていたんです。

愛着が無いからヒゲの形も『なんとなく』で手入れしていたのですが、昨日は突然「ちゃんと整えてみるか」と閃いたんです。

「毎朝忙しくてヒゲが整えられなかったけど今は時間がタップリある。コレはきちんと身だしなみを整えて心身ともに大人になる絶好のチャンスじゃないか」

そう思ったんですね。

こうなったら僕の行動は早いんですよ。

だって今は時間だけじゃなく体力も有り余ってますから。

一昨日なんて、あまりにやること無くて「家の前の道はどこまでつながってるんだろう」とフラフラ歩いていたら広尾駅に着きましたからね。

深夜に目的もなく表参道から広尾まで歩いて何もせず帰ってくるなんてただの徘徊ですからね。

あの時の僕はきっといろいろな意味で限界だったのかもしれません。

ーーー話を戻しましょう。

洗面台に向かって僕はヒゲ剃りを握りしめました。

そして前回のブログで宣言し、未遂に終わった『万里ver.2.0』へのバージョンアップを目指してアクションを起こしたのです。

そして30分後、鏡の中には万里ver.2.0の姿がありました。

顔の輪郭をシャープに見せるために計算しつくされたヒゲの太さと長さ。そしてきっちり左右対象に整えられた形。

どう見ても完璧な身だしなみ。

「この選択は正解だったな」鏡に映った自分を見ながらつくづく思っていたら、もう1つ気になる部分が出てきたんです。

ヒゲに隠れていたのでわからなかったのですが、いつのまにかアゴの左側に吹き出物が出来ていたんですね。

アゴヒゲを整えた勢いで皮膚科に行って診てもらおうと、さっそく近所の皮膚科(粉瘤でお世話になった病院です)に向かいました。

病院の自動ドアをくぐりながら

「このドアから帰る時はパーフェクト万里になっているに違いない」

と確信し、ワクワクしながら待合室で待っていると診察室に入るよう名前を呼ばれました。

「万里さん、今日はどうしました」

「吹き出物を診てください」

「あー、コレですか。粉瘤です。前回と同様に手術ですね」

またかい

先生の言葉を聞いて意識が遠くなりました。

この手術も相変わらず色々あったんですが、それまで書くと今回のブログは超大作になり「オマエどんだけ時間あるんだよ」と言われてしまいそうなので結論だけ言うと

一生懸命に整えたアゴヒゲを剃られました。

手術とヒゲのダブルショックでゲンナリしてる僕に先生は「万里さんはホント、いつも変わりませんね」と笑いながら励ましてくれました。

ーーー病院の自動ドアを出た時の僕は『パーフェクト万里』どころか

やはり万里ver.1.0のまま

だったんです。

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