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『右手壊死事件』の経過報告と後遺症

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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テストやイベントなどが一段落して久しぶりの雑記になるのですが、右手壊死の経過報告をこの場でさせていただきます。

ーーあれは遡ること9月中旬。

朝起きたら背中がゾクゾクして喉の奥が痛かったので「これは風邪のひき始めだな」と判断し耳鼻科に行ったのが今回の『右手壊死事件』の始まりでした。

処方された抗生物質に対するアレルギー反応により右手のひらに薬疹(薬による湿疹)が出てしまい、しかもそれを我慢していたら右手の一部が壊死するという割と深刻な状態になったのですが、皮膚科にいって直ちに疑わしい薬を全て使用中止して患部に塗り薬を塗りまくったら1ヶ月ほどで皮膚は再生し手が機能するまで回復しました。

レッスンで会うたびに「手のひら大丈夫?」「早くよくなるといいね!」と心配してくださった皆さんの温かい言葉が僕の右手の回復を早めてくれたのは紛れもない事実であり、この再生した皮膚の40%は皆さんの優しさで出来ていると確信しています。

だけど今回は辛かった、本当に。

なにが一番辛いってね、カサブタを剥がしちゃいけないんですよ。

これがめっちゃ辛かった。

だってカサブタなんて剥がしてなんぼじゃないですか。

しかもデカイんですよこのカサブタ。

丸々おやゆび一本分の大きさはありましたからね。

そんな超大物が2箇所、小指の第二関節までの大きさのが1箇所、小指の第一関節までのが2箇所の合計5箇所ですよ。

しかも治りかけだからか、それらのカサブタの奥が猛烈に痒いんです。

あまりに痒すぎて「とっとと剥がしたろかい!」となるレベルだったので、皮膚科へ行き「カサブタ剥がしちゃダメですか?」と先生(女性)に質問したところ「なに言ってるんですか?」と真顔で返されました。

ここで間髪入れずに

「ハンターは仕留めた獲物の一部を戦利品として敬意を込めて部屋に飾ると言いますが、それと一緒で僕にとっての獲物が『薬疹』であり戦利品が『カサブタ』なんです。
これから先の人生にこんな超大物に出会う機会はもうないかもしれませんし、このカサブタを部屋に飾り老後に眺めてコイツと戦った日々を思い出したいんですよ」

なんて言うことも出来たのですが、そんなことしたら別室でカウンセリング受けるのは確実なので「や、なんでもないです…」と答えるのが精一杯でした。

そして強い『掻きたい欲求』と『剥がしたい欲求』に耐えながら右手を見つめる日々を過ごしていたのですが、葛藤の末に最終的には

「人間が成長するときは苦痛を伴うものだが、その苦痛は『欲求』を、いわば誘惑を我慢するところから来るのかもしれない。
ということはブッダが菩提樹の下でマーラの誘惑を退けたのと同じで、私もこのカサブタの誘惑を退けることで悟りを開くことができるんじゃないか

なんて考えるようになっていました。

僕の右手からカサブタが剥がれたのはそれから3日後のこと。

朝起きたらボロボロになったカサブタの残骸がベッドに散乱していて、どうやら寝てる間に無意識に掻いて剥がしちゃったんです。

カサブタの剥がれた部分は周囲の皮膚より少し敏感で赤みを帯びていて、まるで『赤ちゃんの肌』のようでした。

そして現在、手のひらを見つめては「カサブタの誘惑に負けるなんて、僕もまだまだ赤ちゃんだな…」と悲しく笑いながら日々を過ごしています。

右手壊死の経過報告ですが、右手は回復したけど色んな意味で後遺症が残ったみたいですね。

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