三角筋とは前部・中部・後部からなる肩関節を覆う筋肉であり、多くのハウスダンサーを悩ませる腕の使い方のカギを握る超重要な筋肉だ。
第4講ではハウスダンスの腕の使い方とこの部位のトレーニング・ストレッチを紹介しよう。
筋肉の場所 | 肩周り |
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主な働き | 肩関節を前後に曲げる(腕を前後に振る)、肩を外に開く(腕を広げる) |
メインで使用するステップ | フロアーとステップ全般 |
鍛えるメリット | フロアー時の安定感アップ/ステップの滑らかさの向上 |
三角筋を鍛えるメリットは2つ。
フロアー技の安定感アップとステップの滑らかさの向上だ。
フロアー技をする時に肩関節のグラつきを抑え身体を安定させるのが肩周りの筋肉、三角筋の仕事だ。
しかし三角筋の活躍はフロアー技だけではない。
これが今回のメインテーマになるのだが、三角筋の筋力は安定感のある滑らかなステップを生み出すのにも必要不可欠なのだ。
「ステップに肩の筋肉が関係あるのか?」と頭の上に巨大なクエスチョンマークを出しているヤツにはそのマヌケ面にベビーパウダーを塗りたくるので覚悟しておけ。
いいか、まずこの標語を肝に命じて欲しい。
『脚の自由は腕から始まる』
私の作った標語だがステップの本質を捉えた超重要な言葉なのでハウスダンサーは何度もノートに書いて決して忘れないようにしておくように。
これは『ハウスダンスで脚を自由に動かすには腕が自由に動なければならない』という意味だ。
そして腕を自由に動かすのに必要な筋肉こそ、これから解説する三角筋なのである。
今日の講義ではステップと腕の関係、そして三角筋の重要性を中心に話そうと思う。
『ハウスダンス=脚』と考えて脚の動きばかりを練習していたダンサーにとってこの『ハウスダンス=腕』という考えは今までの常識を覆す、それこそハウスダンス界のコペルニクス的な内容になるので心して読むように!
ステップ時に腕を動かす理由
では三角筋の重要性を説く前に、なぜ腕が自由に動いた方がうまく踊れるのかをこのコペルニクス万里がわかりやすく説明していこう。
ステップ時に腕を動かす理由は大きく分けて2つある。
理由1:バランスを取る
まず1つ目はステップ時のバランスを取るためだ。
『腕でバランスをとる』というのは少し考えれば想像がつくだろう。
わかりやすい例えは綱渡りだ。
ステップを踏む時は綱渡りのようにワキを軽く開いて腕を自由に動かせた方が圧倒的にバランスが取りやすくなる。
ただ腕をむやみに振り回すとただ暴れているようにしか見えないので気をつけてくれ。
これが腕を動かす1つ目の理由、バランスを取るためだ。
理由2:関節の連動性をスムーズにする
そして2つ目は、これが腕を動かす最も重要な理由なのだが、関節の連動性をスムーズにするためだ。
『関節の連動性』は聞きなれない言葉だと思うので少し解説しておこう。
人間の身体は全てのパーツが連動して動いており、特に腕と足は密接に連動しているのだ。
わかりやすい例えはマラソンランナーだな。
彼らは『走る』という脚の動きで戦うアスリートでありウォリアーなのでそういう点では我らハウスダンサーと同じ人種だと思ってもらって構わない。
では、彼らが走る時に動かしているのは『脚』だけか?
否、『腕』も振っているはずだ。
ではなぜ彼らは腕を振るのか。
それは腕と脚が連動して動いているからだ。
身体は腕と脚、さらに細かくいうと肩関節と股関節が連動しているため脚を動かすには腕を動かさなければならない。
この説明でピンと来なければ腕を振らずに『気をつけ』の姿勢で歩いてみてくれ。
かなりぎごちない歩き方になるだろう。
そう、腕を動かさずに脚だけ動かすと動作はぎこちなくなりかなり不自然になる。
これが腕を動かす2つ目の理由、関節の連動性をスムーズにするだ。
三角筋の重要性
これまでの説明からステップ時にバランスを取り、かつ関節の連動性をスムーズに行うためには腕を自由に動かす事が大切だと理解してもらえたはずだ。
『脚の自由は腕から始まる』の言葉の通りだな。
では腕を動かしている筋肉ははどこか。
それは君の肩についている三角筋だ。
腕を自由に動かすためには三角筋の筋力が必要になるのだ。
この筋肉が弱かったり硬いと腕の自由度が奪われ、結果的に腕と連動している脚の動きまでぎこちなくなってしまう。
これが三角筋の筋力がハウスダンスには重要な理由である。
きっと中には「腕を動かしているのに脚の動きがぎこちないんだけど…」と悩んでいるダンサーもいると思うが、この場合ほとんどが三角筋が弱いためワキをしめてヒジから先のみを振り回しているだけだったりする。
ワキを軽く開け肩から腕を腕を動かすイメージ、もっというと肩の筋肉を動かすイメージで踊ってみてほしい。
きっと見違えるほど脚が滑らかに動くはずだ。
これで諸君らにもハウスダンスにおいて三角筋の重要性が理解できたと思う。
それではこれより三角筋のトレーニングを行うぞ!
三角筋のトレーニングとストレッチ動画
三角筋が脚の動きに関与するからといって別にマッチョなメロン肩になる必要は無い。
肩を安定させたり腕を自由にうごかせる程度の筋力で十分なので自重やチューブでトレーニングしていこう。
肩関節は故障しやすい部位なので最初にウォーミングアップをしてくれ。
これはトレーニング前だけでなく肩こりの予防・改善にも有効な動画だ。
紹介されてるウォーミングアップは慣れるまではキツいが肩が楽になるぞマジで。
三角筋トレーニング動画
そして私がオススメするトレーニング動画はこれだ。
チューブでの基本的な三角筋トレーニングがわかりやすくまとめられている。
脚を肩幅に開きチューブの真ん中を踏んでスタンバイしてくれ。
それぞれ8〜20を1セットとして3セットを目安に行う。
姿勢は肩が上がらないように気をつけるのだぞ。
三角筋ストレッチ動画
そして三角筋が硬くなっても腕の自由度は下がるのでトレーニングやダンス後はストレッチもしっかり行おう!
この動画はみんなが知っているストレッチ方法だが、硬い人・普通の人・柔らかい人向けと3段階に分けてわかりやすく紹介してくれているので自分のレベルに合わせて行うことができるのだ。
注意点やポイントを詳しく解説してくれているのもありがたいぞ!
三角筋トレーニングまとめ
ハウスダンスは脚が自由に動かなければならない。
脚を自由に動かすには腕が自由に動かなければならない。
腕を自由に動かすには三角筋が使えなければならない。
つまりハウスダンスは三角筋が使えなければならない。
これが三角筋のトレーニングを勧める理由だ。
肩は壊しやすい部位なので、くれぐれも怪我に気をつけて精進してくれ!
では第5講でまた会おう!

