今日は皆さんに『ワイヤレスイヤホンは危険』というお話しをしたいと思います。
昨晩、スタジオに向かう途中の事でした。
目の前を歩く女性がパスケースを落としたんです。
そして僕は紳士すぎて『Mr.ジェントル』の異名を持つことでお馴染みの万里じゃないですか。
どれくらい紳士かと言うと、学生時代は好きな子に告白する度に
「万里君はいい人なんだけど…」
とフラれるほど紳士だったっていうかこの話はトラウマだし今は関係なくない?
とにかくパスケースを拾って「落としましたよ」と優しく呼びかけたんです。
しかし振り向きもせずスタスタと歩き続ける彼女。
(聞こえなかったのかな?)
不思議に思いながら小走りで追いかけてその理由がわかりました。
彼女、ワイヤレスイヤホンをしていたんですね。
呼びかけてもムダと思った僕は
『驚かさないように彼女の前に出てからパスケースを見せて渡す』
という作戦に出ました。
聞こえないからっていきなり肩を叩いたりしたらナンパと間違われますからね。ナンパとか紳士国なら一族が根絶やしになっても仕方ない重罪行為ですよ。
というわけで彼女の前に出てゆっくり振り返った瞬間、信じられないことが起きました。
直角に曲がって避けられたんです。
どうもナンパと勘違いされてるようなので、誤解を解くためにも急いでパスケースを見せました。
しかし顔を背けて見てくれません。
うつむいたまま小走りで僕の横を走り抜ける彼女。
甦る学生時代のトラウマ。
この時点で僕のライフポイントはほぼゼロでした。
いっそのことパスケースを近くの交番に届けてしまおうかとも思ったのですが、ある恐ろしい考えが脳裏をよぎりました。
(ここで諦めたら、それこそしつこくナンパしてたように見えるんじゃないのか?)
この一連の流れは職場(スタジオ)の近所で起きたんですよ。
もしスタッフや会員さんに見られてたら
「さっきそこで万里さんナンパしてたわよ」
「出勤途中に職場近くでナンパとかとんだ変態紳士じゃん」
て会話になるじゃないですか。
それだけは避けなければなりません。
そこで僕は
「落し物、落し物ですよ!」
少し大きめの声で連呼しながら追いかけました。
そうです。周囲に『ナンパじゃありませんよアピール』をしたのです。
ーーーリスクヘッジをしつつ紳士的行動を遂行する。
そうすれば先程のような会話になっても
「でも落とし物を拾っただけでナンパじゃないみたいよ」
「出勤途中に人助けとかやっぱり紳士じゃん」
となるんですわ。
僕の紳士度が一つ上のレベルに到達し、『紳士』から『神士』になった瞬間でした。
ついに交差点の赤信号で止まった彼女はワイヤレスイヤホンを取り勢いよく振り返りました。
「いい加減にしてくだ…あッ!」
言いかけた途中で僕の持つパスケースに気が付き、慌てて謝ってきました。
誤解が解けて安心した僕は涙目で、その姿はぜんぜん紳士じゃありませんでした。
「ありがとうございます。助かりました!」
「いえいえ。気づいてくれてよかった」
「本当にすみません。『お年頃!お年頃!』と言うからナンパかと思って…」
おやおや。どうやら『落とし物』と『お年頃』を聞き間違えたようですねっていうか
そんなナンパ文句ねぇよ。
もし「お年頃!お年頃!」なんて連呼するヤツがいたら純度100%の不審者だからね。
ワイヤレスイヤホン野の危険性をご理解いただけましたか?
ワイヤレスイヤホンは周囲の音や声が聞こえなくなります。
万が一、落とし物をした時に拾ってくれた人の声に気づくことが出来ません。
すると
僕みたいな弱小紳士のハートがバキバキに砕けますからね。
『ワイヤレスイヤホンは(僕にとって)危険』というお話でした。
皆さんもお気をつけください。