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ノラ猫と僕の切ないお話

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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今日は最近仲良くなった地域猫(その地域で避妊手術をして飼っているノラ猫)のお話をしたいと思います。

少しだけ切ない内容ですが、お付き合いください。

ウチから5分ほどの裏路地にいる個性豊かな地域猫達。まずは彼らを紹介します。

・ハッちゃん
今日紹介する猫達のボス的存在のメス猫。
この地域の最年長っぽいので、もしかしたら母猫なのかもしれません。全
身まっ白で額だけ八の字のハチワレ。だから『ハッちゃん』です。
いつも困ってる顔をしていて、その困り顔が可愛くて「どしたのー」と近づくと容赦なく威嚇してきます。
定位置はママチャリのカゴの中。

・チビ
名前は『チビ』だけど全然小さくありません。大人のキジ白(茶色×白)オス猫です。
コイツも威嚇してきますが、僕がビニール袋を持っていたり何か食べていると「んニァアーーン」と可愛い声ですり寄ってきます。エサをくれると思ってるんでしょうね。
その甘えた声が子猫のようなのでチビと呼んでいます。
ちなみに僕が手ぶらの時は目が合っても無視します。
プライドのカケラもない猫ですわ。

・オネェチャン
チビとそっくりの柄(キジ白)だけどチビより一回り大きいメス猫。
チビが僕に寄ってくると、遠くから「この子に手を出したらそのノド笛噛み切るから」と言ってるように威嚇してきます。どの猫よりも目がマジでした。
彼女は基本的にチビと行動を共にしています。

・ネリマ
長毛のキジトラで多分オス猫。
いつも練馬ナンバーの車の下にいるからネリマと呼んでます。
この集団で1番臆病で、以前見かけたら道路に落ちてる瀕死のセミにも怯えていました。
「…ンシャァ」とビビりながら威嚇するので全然怖くありません。
チビと仲良しで、チビが近くにいる時だけ車の下から出てきます。

ーーー昨日の晩。帰宅途中の僕の目の前を『オネェチャン』が歩いていました(チビとお姉ちゃんは尻尾の先の柄が違うので一目でわかりました)

いつもチビと一緒に行動しているお姉ちゃんですが、その時は1匹だったんですね。

「(まさかチビに何かあったんじゃないか)」イヤな予感がして「オネェチャン!」と声をかけると、一瞬僕を見てから小走りで路地裏に入って行きました。

次の瞬間、僕のイヤな予感は的中しました。

僕の前を歩いていた女性3人が一斉に振り返ったんです。

そして全員、僕を一瞬見てから明らかに歩くスピードを上げて去って行きました。

完全にナンパ、もしくは不審者だと思われたみたいなんですよ。

そりゃ背後から大きめの声で「おネェちゃん!」と呼ばれりゃ振り返りますよね。

そしたら帽子にマスクで大きいリュック背負ってるマッチョが居るんですよ。

しかも夜。しかも裏路地。

逃げない方が頭おかしいですよね。

誰もいなくなった路地に一人取り残された僕はひどく傷つきました。でも、このままここに留まっていてはお巡りさんが来て職質コースになるのは確実だったので「(チビは大丈夫だろうか。あと通報されてないよな)」と不安な気持ちのまま自宅に向かいました。

そして今日の夕方。

買い物帰りにいつもの裏路地を通ると植え込みから「ンニャーオ」と鳴きながらチビが出てきたんです。

「お、おまえ無事だったのか!」

あまりに嬉しくて手を差し伸べたら引っ掻かれました。

そしてチビの後ろにいたお姉ちゃんにも威嚇されました。

そしてやっぱりチビにも威嚇されました。

嬉しいやら痛いやらびっくりやらで軽いパニックになった僕は「ごめんごめんごめん大丈夫大丈夫」と、歌舞伎町でチンピラに絡まれた田舎から出てきたばかりの大学生のように謝りながらその場を去りました。

自宅に着き、キズにマキロンを塗っていて思いました。

僕、彼らと全然仲良くなってないんですよね。

仲良くなったと思っていたのはどうやら僕だけだったんですよ。

あと女性達にも怖い思いさせたので、しばらく夜間は帰り道を変えなきゃなりません。

ウチから5分の近所なのに。僕、何も得ていないどころか失ってるんですよ。

どうです?切ないお話しでしょう。

僕が。

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