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そのうち僕の銅像が建つかもしれません

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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「万里さん、ウワサではアクロバットがすごいんですって?」

先日、メガロスのスタッフに声をかけられました。

どんなウワサが流れてんだよと不安に思いましたが、落ち着いて質問を返しました。

「突然だね。誰から聞いたの?」

「こないだ研修に行ったとき、本社のSさんから聞きました」

「あぁ、Sさんか…」彼の名前を聞いて納得しました。

今でこそメガロスインストラクターの中でもステップおたく代表の僕ですが、本来はアクロバットが主体のダンススタイルで、15年前のメガロスのインストラクターオーディションでもアクロバットを披露したんです。

それを見た審査員達はえらく感動してくれて「これからのスポーツクラブではアクロバットも取り入れなければダメだ!」となりアクロバットインストラクターとして即採用されたんです。

そしてその場に居たのが当時入社1年目だったSさん。彼は特にハートにぶっ刺さったようでかなりの勢いで拍手をしていました。

それからスケジュールを提出し、どの店舗に配属されるかも決定していよいよ始動!って段階になった時、Sさんから電話がかかってきたんですよ。

「もしもし万里さん?アクロバットレッスン、ちょっともめてるんです」

どうやらスポーツクラブ業界でも前例のないレッスンプログラムだったので、本社のエラい人達からも

『指導中に参加者が怪我したらどうする』とか、

『アクロバット用のマットは必要じゃないのか』とか、

『代講の時は誰も担当出来ないだろう』とか、

いろいろと問題点を指摘されたようなんです。

「とりあえず、万里さんはアクロバットの許可が出るまではダンスレッスンを担当してください。上から許可がおりたらすぐに電話するんで待っていてください!」

Sさんはそう言って電話を切りました。

あれから15年経ち、僕はまだダンスレッスンを担当しています。

えぇ。

ずっと返答待ち

の状態なんですわ。

この、ひっそりと始まり、誰の目にも触れないままお蔵入りになった『万里アクロバットクラス』の数少ない証人がSさんだったのですーーー

「…というわけでさ。僕はもともとはアクロバットクラスを担当するはずだったんだよ」

「本社からの返事、今もずっと待ってるんですね」

スタッフは明らかに笑いを堪えている顔でした。

「でもあれですね!万里さん、ハチ公みたいですよ!健気に待ち続けて、そしてその間にみんなにも愛されて。マジで忠犬ハチ公です」

「そうかなぁ」

「そうですよ!」

まぁ悪くはないですよね、ハチ公。銅像にもなってるし。

ただ、あの時はスタッフの目があまりにもキラキラしていたので言えなかったのですが、ハチ公ってご主人を待ち続けたけど会えずに死ぬじゃないですか。

だから今後、万が一アクロバットクラスの許可が降りたとしても、Sさんが僕に伝えに来たところで

「やりましたよ、万里さん!本社からアクロバットクラスの許可がやっとおりました!万里さん?バン…し、死んでる

ってなると思うんですよね。

そんでやっぱり僕の銅像がメガロスの入り口あたりに建つことにになると思うので、その際には皆さんも待ち合わせ等にぜひご活用ください。

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