「どんな時に夏の終わりを感じますか?」
気温、夜風、星座、コンビニのおでん、この答えは人によって様々でしょう。
ちなみに僕は虫に夏の終わりを感じます。
正確には『瀕死の虫』です。
僕が瀕死の虫を助ける頻度が上がった時。そう、それが夏の終りなのです。
僕には『虫や動物をみたら助ける』という変わったマイルールがあります。
子供の頃から駅構内や道路にひっくり返っている虫(主にセミ)を見つけては、優しく拾い上げて植え込みの日陰にソッと放すようにしていました。
このマイルールのきっかけは図書館にあった『火の鳥』の漫画を読んで輪廻転生の概念を知ってからでした。
人間や動物が同じ生き物に生まれ変われるとは限らないと知り、
「この虫が、僕の大好きなおばあちゃんの生まれ変わりだったらどうしよう」
とか
「昔飼っていたペットが虫に生まれ変わって僕に会いに来ていたらどうしよう」
なんて考えるようになり、今考えると強迫観念に囚われた強迫行為に他ならなくて完全に保護者面談コースな事案なんですが、とにかく見かけた虫や動物は出来るだけ助けるようになったんです。
ちなみに今日、助けた虫の数は9匹(内訳:セミ4/カナブン3/よくわからないデカイやつ2)でした。
「1日に助けた虫の数が10匹になったら職業欄に『虫レスキュー』と書けるよねー」なんて友達とよく話して笑っていましたが、ギリギリセーフですよね。
あやうく『プロダンサー』が副業になるところでしたよ。
ちなみに今日助けたセミのうち、3匹はウチの玄関前(正確に言うと1匹はマンションのエントランス)でした。
これに関してはうすうす気づいていたんですが、どうやら人気スポットらしいんですよね、ウチの玄関前。
昆虫界では『終の住処(ついのすみか)』として絶大な支持を得ているっぽいんです。
ウチの近所にも『青山霊園』という日本有数の墓地があるんですけど、虫にとってもそちらの方がよっぽどステキな最期を迎えられると思うのですが、光栄なことにウチの玄関前を終の住処に選んでもらいまして。
夏の終わりになると虫たちが「最期はあの場所で息を引き取りたい」とか言いながら玄関前に集まってくるんです。
ウチはゾウの墓場かよっていうハナシなんですが。
そんな虫を見つけて拾い上げては、近くの植え込みに放して「もう秋だなぁ」と呟くのが、僕の『夏の終わりを感じる瞬間』なのです。
…なーんて事をね、帰宅途中の電車で書いていたんですけど、自宅に到着したらまた玄関前にセミがひっくり返っていました。
当然、拾い上げて植え込みに放しましたよ。
というわけで、今日レスキューした虫の数は合計で10匹。
本日をもちまして、僕の職業は『虫レスキュー』になりました。
プロダンサーは副業になりましたが、虫レスキューばりに頑張ろうと思います。
この秋も、引き続き万里をよろしくお願いします。