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16秒の願い【ダンスコラム】

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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「万里さんのレッスンが楽しみで楽しみで」

そう言ってくれる人がいます。僕はその言葉を聞くたびに本当に嬉しくなります。

それは「僕のやっている事が評価された!」という喜びもあるのですが、大部分は僕の願いが叶った!」という喜びが占めています。

ここまで書くと『万里さんの願いってなによ?』となると思うので、今回は普段から僕が何を願っているのかをこのブログを通して皆さんにお話します。

16秒

まず最初に、僕の願いを理解してもらうにはキーワードとなる『16秒』という言葉の説明をしなければなりません。

僕が教えているハウスダンスとは早いテンポの曲に合わせて踊るジャンルで、一歩のステップにかかる時間はわずか0.25秒。

4カウントのステップならば2秒。8カウントなら4秒です。

1回のレッスンで覚えるの振り付けが8カウント×4セットなので大体16秒。

そう。『16秒』とは僕のレッスンで覚える振り付けの長さなのです。

16秒って思った以上に「あっ」という間。このブログをここまで読んでくれたら既に16秒くらい経っているんですよね。

だけど、この『16秒の振り付け』を楽しみにして1週間を乗り切れてる人がいるんです。

この『16秒の振り付け』があるから、どんなにツラい事や大変な事も頑張れる人がいるんです。

そして、この『16秒の振り付け』を目標にケガや病気と闘える人がいるんです。

だからいつも僕はこの16秒に願いを込めています。

その願いとは

「ダンスの素晴らしさが広まりますように」

「ダンスで世界を救えますように」

といったマクロなものではなく、もっとミクロな

「あの人がどんなに憂鬱な朝も、レッスンのためにベッドから起きてくれますように」

「あの人が泣きたくなるようなツラい出来事も、レッスンの間だけは忘れられますように」

「あの人が再びレッスンに参加するために大変な治療やリハビリを乗り越えて不調をぶっ飛ばした結果、めちゃくちゃ元気にダンスして『むしろ以前より調子いいわ、マジで』って笑い話になりますように」

というように個人に向けたすごく狭い内容です。

プロダンサーとして生活をしている僕がこんなことを言うのもなんですが、ダンスには奇跡を起こす力はありません。魔法じゃないんですよ、ダンスって。

でも『あの人』にとっては、ダンスは奇跡を起こす特別な力も持っている魔法のはずなんです。

でなければたった16秒にこんなに人が惹きつけられるワケありませんから。

ここまで読んで「もしかして万里さんが言う『あの人』って私のことかも…」と思ったあなた。

そう。

『16秒の振り付け』が楽しみでレッスンまでの日を指折り数えているあなた、です。

僕はあなたに対してこのブログを書いています。

僕は知っているんだ

あなたがいつも頑張っているのも、ツラいのも、戦っているのも僕は知っています。

その戦いは決して派手なものではなく、地味で、評価されにくくて、もしかしたら誰にも知られていないかもしれません。

あなたは、その功績を自慢もしないので誰からも讃えられず、ある時は孤独を感じているかもしれません。

でも僕は、あなたが今も頑張って戦っているのを知っています。

あなたは今、真っ暗なトンネルを歩いている状態かもしれません。

だけど出口のないトンネルなんてありませんから。少しずつだけど、歩き続ければ暗闇の先に出口の光が見えるはずです。

『その光が僕のダンスでありますように』なんてとても言えませんが、この『16秒の振り付け』がその光までの道しるべになってくれるなら、こんなに嬉しいことはないのです。

もう既に頑張ってるあなたの背中に「頑張れ!」なんて声援を送るのは、なんか無責任みたいで気がひけるので僕はこの『16秒の振り付け』に願いを込めています。

「あなたと、あなたの周りの人間が笑顔で幸せになりますように」と。

「このダンスが、その笑顔の手助けをほんの少しでも出来ますように」と。

そして僕のレッスンに参加した時に「万里さんのレッスンが楽しみで楽しみで」とあなたから笑顔で言ってもらえますように」というのが、僕の16秒の願いなのです。

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