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春の恋愛講座

ハウスダンスインストラクター万里の日記
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花粉の季節になりました。

僕、この季節になるといつも思うんですけど、

雄しべってほんとバカ

じゃないですか?

生存戦略のためにも、彼らは雌しべの気持ちをもっと考えるべきだと思うんですよ。

だって花粉て自分の子孫を残そうと飛散させてるんでしょ?

人間で言えば

「彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい!」

「結婚して結婚して結婚して!」

と婚姻届をばら撒いてるようなモンじゃないですか。

それって

ガッツキ過ぎ

じゃありません?

スギもヒノキもブタクサもガッツキ過ぎなんですよ。

中二男子かっつーの。

いや、気持ちはわかります。僕も男ですから。そんな時期もあった。

でも恋愛で重要なのって駆け引きじゃないですか。

そろそろ雄しべも『引く事』を覚えた方が良いと思うんですよね。

毎年バカの一つ覚えみたいに花粉ばっか飛ばすから、雌しべにも「はいはい。いつもの事ね」と軽くあしらわれてしまう。

これじゃ想いが三分の一も伝わらない。せっかくの花粉も無駄になりますよ。

そこで今年は引いてみる。花粉を全く飛ばさない。

そうすれば雌しべも

「あれ、今年はなんか寂しい」

「この気持ち、もしかして私あの人のことを…」

と大切な存在に気がつくはずなんです。まぁ『あの人』っていうか『あの雄しべ』なんですけど。

そうなれば雄しべの思うツボ。

来年ちょこっと花粉飛ばすだけで雌しべも

「ばか。待ってたんだから」

とラブラブになるはずなんですよ。少女漫画とかなら最後に『Fin.』って出るやつですわ。

あ、あと僕から雄しべにもう1つアドバイスね。

『もっと一途になりなさい』

と。

言ってやりたい。そして小一時間ほど愛について語りたい。雄しべと。

だってあいつら見境なさすぎなんですよ。

「誰でもいいから受粉して!」

って気持ちが前に出過ぎ。チャラい。

しかもアイツら、人間にも花粉飛ばしてくるじゃないですか。

人間は受粉できないっつーの。

それって立場を逆に置き換えて言えば

「うわー彼女欲ほしー。ナンパしてくるわー」

と言ってる男が杉林に行ってスギに向かって口説いてるようなもんでしょ?

ストライクゾーン広すぎだって。怖いって。

そんな『視界に映るもの全てが恋愛対象』みたいなスタンスだから雌しべサイドも

「あぁ、誰でもいいのね」

となっちゃうんですよ。

裏でみんなから『カラダ目的』ならぬ『受粉目的』って言われてますからね、絶対。

そういう『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』的な作戦じゃなく、ターゲットを絞って一途にアプローチするべきなんです。

いつの時代も純愛こそが最大の攻略法なんですから。

ーーーという話をね、今日友人にしたんですよ。大真面目に。

そしたら友人がこう言ったんです。

「万里ってほんとバカだね」

って。

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