今日は久しぶりに僕のモテっぷりの話をしようと思います。
どうか嫉妬せず最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
先週の金曜日の昼間、用事で出かけた先で小さな駄菓子屋さんを発見したので懐かしくなって寄ってみたんですよ。
お店に入ったら「いらっしゃい」と感じの良い老夫婦のオーナー2人が出てきてくれました。
品揃えは王道の駄菓子セレクション。しかも壁には『びっくりナイフ(プラスチックの刃が引っ込むジョークグッズ)』などのオモチャがかけてあり、隅に置いてある小さい冷蔵庫の中には凍ったチューペット(チューブアイス)が入っていました。
「ここの店主、わかってるな」
僕の本物を見極めるアンテナにビンビンきましたね。
あの時の僕の眼差しは真剣そのもので「ミシュランガイドの調査員でもそこまで見ないだろ」ってくらい店内を見回っていました。
きっとあの老夫婦も『ミシュランガイドの駄菓子部門かな』と思ったに違いありません。
僕が店内を物色していたら突然奥さんの方が
「あの、どこかで会いましたよね」
と声をかけてきたんです。
ナンパか?
と思い焦ったのですが、ほら、僕って『ダンス界きってのジェントルマン』こと万里じゃないですか。
「いえ、初めてですよー」と平静を装いジェントルな感じに返事したら「あら、気のせいだったのね。ごめんなさいね」と謝られました。
これも僕の身体からジェントルマンオーラが滲み出ていたからでしょうね。
ダンスしてなくても世間のほうが僕を放っておかないんですよ。
もしくは僕があまりにも店内を物色するので万引きと思われたかでしょうね。
何もしていなくても万引きGメンのほうが僕を放っておかないんですよ。
慌ててお菓子を買い店の外のベンチで食べていたんですが、あ。ちなみにコレがそのお菓子なんですが

そしてコレ全部を一人で食べてたので当然周りの子供達から「大人がいる…」なんて不審がられていたのですが、『ヤッター!めん』を開けたら大当たりの『100円』が当たったんです。
ーー今まで何度もこのお菓子を買ってきましたが、当たりが出たのは人生で初めてでした。
僕は当たり券を握りしめ、ゆっくりと空を仰ぎました。
そしてこう思ったのです。
「コレも、この引きの強さも僕のジェントルマンオーラが為せる業(ワザ)なのだ」
と。
人生初の出来事で嬉しすぎてつい「ヤッター!」(正確には「ッター!」だったと思います)と叫んだら周りの子供達(保護者含む)からいよいよ本格的に不審者を見る目で見られました。
さらに駄菓子屋の奥さんがものすごい顔で店内から飛び出してきたんですよ。
奥さんの不審者を見極めるアンテナにビンビンきたのだと思います。
無言でにらみつける奥さんに対し「あ、すみません」と小声で謝った僕は、この空気の中で再び店内に戻るのはハードルが高すぎるので100円券を近くにいた男の子にあげました。
その時もちょっとテンパっていたので
「ねぇボク。100円あるんだけどさ、いる?」
なんて人さらいの常套句のような声のかけ方をしてしまったので保護者の方が更に不審がっていました。
きっとあの時の僕にはジェントルマンの欠片も無かったんだと思います。