夏休み2日目は新大久保のアジアンスーパーにインスタントラーメンを買いに行ってきました。
僕のインスタントラーメン好きは業界でもかなり有名で、皆さんもご存知のように『ダンス界の小池さん』と呼ばれているのですが、ここ数年は『アジア系インスタントラーメン』にハマっています。
しかも輸入食材のチェーン店や大手スーパーで取り扱うような有名メーカーの商品ではなく、タイ人が買いに行くタイのスーパーとかインド人がやってる小さい食材店に置いてる『日本語表記はされてないけどすごい辛い事だけは理解できるヤツ』や『パッケージのイメージ写真を見ても味が全く想像つかないヤツ』みたいなのにハマっているんですね。
なぜなら、僕は別に『美味いラーメン』を食べたい訳じゃないからです。
これを理解してもらうには僕の『インスタントラーメン道』を語らなければなりません。
少し長い説明になりますがお付き合い下さい。
ーーーインスタントラーメン道とは、一言で表すと『興奮』です。
インスタント(即席)の名前の通り『お手軽に食事が出来る』のがインスタントラーメンの魅力ですが、『お手軽に興奮出来る』のもインスタントラーメンの魅力の1つだと僕は考えています。
そしてその興奮度合いが振り切るくらいに高いのがアジア系インスタントラーメンなのです。
お店でどんな味なのか想像しながらラーメンを選び、ワクワクしながら帰宅する。
台所で袋から麺を取り出して調味料の小袋を確認する(アジア系インスタントラーメンの調味料の中にはなぜか同じのが2袋入っていたり、明らかに中世の拷問で傷口に塗り込むみたいなヤツもあります)
麺を茹でて調味料を入れ、野菜を載せたけど完成形がどう見てもパッケージのイメージ写真と違う。
スープの色がランボルギーニのように赤い。
それを見て『毒ガエルは猛毒を持つ個体ほどカラフルになるが、それは【自分を食べたら命はないぞ】という捕食者に対するメッセージなのである』と動物番組で聞いた言葉を思い出します。
アタリかハズレか、全神経を舌に集中させて未知の味付けを口に運ぶ…
そして美味しければ『美味しい』と感じて得した気分になるし、
不思議な味なら『オイシイ』と感じて友達やブログで紹介しようとメモるし、
辛い、というか「火種って食べるとこんなだろうな」と思えるような味なら『オカシイ』と感じて入れちゃダメな調味料でもあったんじゃないかと袋を再確認しながら汗まみれで完食するのです。
つまり『ラーメンを選ぶ→作る→食べる→誰かに伝える』という一連の流れにこそインスタントラーメンの魅力が、インスタントラーメン道の真髄があるのです。
これってものすごく興奮しませんか?
現代の日本ではインスタントラーメンのクオリティが上がりすぎて何を選んでも確実に美味しいです。
だけどもっとこう『舌がシビれる』っていうか『魂がシビれる』っていうの?
そんな日本国内で販売したら苦情が殺到して即発禁になるようなギリギリのラーメンを、僕は食べたいんですよ。
そうですよね安藤さん。
安藤百福「その通りだよ、万里くん」
ーーー日清食品の創立者でありインスタントラーメンの父である安藤百福さんにも賛同してもらったところで話を戻しましょう。
そんなこんなで新大久保のアジアンスーパーで3袋を厳選しました。
タイとかインドのインスタントラーメンって日本のと違い麺がすごく脆いから慎重にレジに持っていったんです。
なのにレジのお兄さんがおもいっきり鷲掴みしまして。
おもいっきり『ポキポキパキペキ』って音が鳴ってんですよ。
僕にはインスタントラーメンの悲鳴に聞こえました。
そんでレジ袋に商品を入れるのも雑なの。
いや世界から見たら日本のサービスが過剰ってのはわかってるけどここは日本なのでOMOTENASHIの国なので今日だけは、この商品達だけは優しく扱って欲しかった。
家に帰り着いた時はそれぞれの袋の半分以上がベビースターみたいな感触になってました。
そのうちの一袋を食べたんですが、案の定『魂がシビれる』味で興奮しましたね。
「オカシイ」と思って何度も袋を確認したからね。
粉々になった細かい麺を必死にお箸で追いかけ回して完食し、汗をぬぐいながら「インスタントラーメン道は深いなぁ」と呟いたら「その通りだよ、万里くん」と安藤百福さんの声が聞こえました。
幻聴が聞こえるレベルで辛かったんです。